こんにちは。
今回は大学で実際に目の当たりにしているブラック研究室の実態について語ります。
一般にイメージされるのは、教授が独裁者みたいで、学生の仕事量が多く、ひーひー働かされるといった感じでしょうか。
これも確かに正しいと思います。
しかし、僕が考える、もっともたちの悪い、「真の」ブラックは違うのです。
敵は、別に、意外なところにいるものなのです。
ブラック研究室とは
私のいる大学もそうですが、ブラックとよばれるラボはいくつかあります。
一般に考えられているのは、教授がやりたい内容を学生が行い、学生一人の負担が異様に多く、週に数回ある報告会でぼろくそに言われるというお決まりのやつですね。
忙しくてやりたいことができない教授がそれを学生に押し付けるため、教授の納得がいかない成果だとこれ以上ないくらいにぼこぼこにされます。
確かにやばい環境なのですが、それらの状況では総じてある環境が生まれます。
そうです、学生同士の仲がよいのです。共通の敵(教授)がいるため、学生は団結しあい、厳しいことを言われていても互いに慰めあうことができます。
ところが、真のブラックではそんなことはできないのです。
真のブラック研究室の敵とは…
最初に言ってしまいます。
真のブラックラボの敵は、ドクターです。
知らない方のために解説しておくと、理工学系の学生は、次のように進学していきます。大学生→修士学生:マスター →博士学生:ドクター → 助手もしくはポスドク
ここで理解してほしいのは、ドクターまで進んだ院生は「教授予備軍」ということです。公務員になるものや民間企業に就職する人は、まずドクターまでいかない。いくメリットがないからです。
では、どのような人がドクターまで進むかというと、研究者として大学に残ったり、企業に就職しようとする人です。企業への就職は有名大学でもない限り狭き門であるのと、給与の面からもやはり大学に残りたいというのが本音でしょうか。
つまり、ドクターに進む大学院生は、「教授予備軍」といえるのだ。
そしてこの「教授予備軍」ともいえるドクターが厄介者であるとき、そのラボは真のブラックになってしまうのです。
ブラックから真のブラックへ
私が所属しているところではありませんが、このようなところがありました。
そのラボはある分野で知名度があり、学生数も多く非常にやる気に満ち溢れたラボでした。忙しいながらも学生間の仲は良く、忙しくて帰れない日も多かったそうですが、ラボの風通しはよかったそうです。
しかし、あるときから陰りが見え始めます。
当時マスターだった学生がドクターに進学し、ドクターの態度が一転したのです。
ドクターの学生は他人の研究に口を出すようになり、特に教授がいないときは横暴な態度をとるようになったというのです。
学生が報告会の前日に資料を作成していないと、資料が完成しているにもかかわらず、頭ごなしに文句を言うのです。しかも、これらが反論をしてもなにかと理論づけて必ず折れない。
しかも、ドクターはマスターの学生と違い、受講しなくてはいけない講義がないですから、実験するとき以外は常にラボにいます。接する機会が必然的に多くなります。
これによりラボの風通しは悪くなり始めたそうです。これを理由にして、次第にマスターへ進学する学生が少なくなっていったという。
意識高い「系」の出現
厄介者ドクターが出現すると、マスター学生にも変化が生じます。
厄介者ドクターについていけずに心が折れる院生や、うまくやりすごす学生がいるなかに、このドクターを支持する意識高い「系」学生が現れ始めます。ここで問題なのは、意識高い学生ではなく意識高い「系」学生であるという点です。
毎日学校にいるのが正義であり、学校にいるのがえらいと勘違いしてしまいます。
あまりにラボにいるので、一度何をしているのか聞いてみたのだが、「研究している」の一点張り(具体的なことを言いません)。
このような意識をもつ学生が増えていき、ラボから帰ってはいけない雰囲気ができて、そのラボは24時間営業となってしまいました(友人が夜7時に帰ろうとしたら怒られたそうです)。
こうして、24時間営業で風通しの悪いブラックラボが出来てしまったそうです。
これから研究室に所属する大学生へ
現在理系大学生で、ゼミの配属先を検討している学生がこれを見ているのであれば、以上の内容を踏まえて、ぜひ次のことに注意してほしいです。
・そこの教授だけを見るのではなく、先輩を見る(ドクターがいるのであれば特にドクターを見る)
・研究報告が月に何回あるのか確認する。報告会が週に何回もあるようなところは、報告用の資料ばかり用意して研究が進まないこともあるので気をつける。
・OBの就職先を確認する。せっかく頑張ったのにまともな就職ができなければ意味がない。
・楽すぎるところは避ける。どんなに良い就職先に就職しても、ある程度苦労していないと就職先で痛い目にあうかもしれません。楽すぎるラボは避けよう。
最後に
私のいるところはブラックと呼ばれてはいるが、自分なりにそこそこ楽しめていると思います。
成果が出たときは楽しいですし、教授に怒られてもみんなで慰めあえるし、意外と就職先はいいところが多いです。それでも負担が多過ぎて来なくなってしまう学生はいるけど、見返りはあるのではないかと思っています。
それでも、自分は上記の「真の」ブラックではやっていけなかったと思います。
ゼミの配属先は、その学生の就職先まで決めてしまいかねない非常に重要な選択です。理系大学生は、誤ったところを選ばないでほしいし、なによりぜひ楽しい大学生ライフを送ってほしい。
熱く語ってしまいましたけど、今回はこんなところで。
ではでは。